2012年9月30日日曜日

存在しないあなたや私

 残暑平らげて秋へ変わり、見る影もなく寒くなってしまった。冷たい風の中を歩けば少しだけ切ない気持ちになって、沸かない力と反比例して言葉が溢れてくる。得体知れない、しょうもない、所在ない、言葉にならない、意味もない、言葉ばかりが夜長の隙間を埋める。ため息吐きながら衝動を待つ。

 単純な思考回路が、どうせ単純なだけのものとして収まってしまうのならば、いっそその単純さのなかで満ちてしまいたい。どうか深々とした安心が欲しい。


 瞼の奥では子どもの頃からずっと見ている同じ夢。私にはそんなのが何種類かあるのだけど、そのいくつかは、例えば某所にある豪邸の庭。その庭は迷路になっている。決して比喩でもなく、遊園地の迷路小屋のような「作られた迷路」。その先へ進むには、その庭をくぐり抜けなくてはいけない。私有地だとか、そういうのはここでは関係がない。ただ私はその先に用があるだけ。くぐり抜けるルートなら完璧に覚えてるから大丈夫。怖いのになぜか心持ち楽しい。目を覚ますと、その庭があたかも実在するような錯覚に陥る。寝ぼけ眼でグーグルマップでその周辺を探したところで、そんな庭も豪邸も実在しないのでした。子どもの頃から同じ夢を繰り返し見ているから夢と現実が混在していることに気付き、そこはかとないデジャヴだけが残る。実在しない場所にほんのりとした郷愁をおぼえる。

 例えば、海外で作られたと思しき、えぐい物語のパペットアニメーション。私は部屋でそのVHSをぼんやりと見ている。目を覚ますと、そのアニメーションもあたかも実在するような錯覚に陥る。寝ぼけた脳裏にはそのパペットの残像だけ。不思議と怖さはなく懐かしさだけが余韻となる。もう一度あのアニメーションをきちんと見てみたいと思い記憶を辿るのだが、どう考えてもそんな映画は実在しないのでした。同じ夢を繰り返し見ているから、この映画は幾度と見てる。またそのうち夢の中で見れるでしょう、と諦めた。
 存在しない庭、存在しない作品。存在しないあなたも、存在しない私も。

 誰が読んでるのかはわからないけど、たまにはブログらしい機能を果たしてみようか。私が所属しているポヤンポヤンというユニットについて、これまでの活動は回想の中で大まかに記述してはいたものの、そもそもこのチームについて詳しいことは書いてなかったと思うので、改めて記してみる。…というのも、最近にかけてポヤンポヤンとは一体何をするユニットなのか色々な人に聞かれることが多いのだ。しかし所属している私さえ一体何のユニットなのか、どうも明瞭とした答えがない…。私もこうして書き連ねながら、今一度考えてみたい。

 掲げているのは「安全な食と日々の暮らしについて考える女子ユニット」。活動の多くはモスキートでのフード出店が主ではあるけど、私自身はポヤンポヤンはただ単にフードユニットだけの集まりと思っていないかな。メンバーは、昨年脱原発デモをきっかけに出会った(唯一タケとはモスキートで知り合ってましたが)女子8名。なので、皆の心にまずNO NUKESが大前提としてある。偶然ながらメンバー揃って料理が得意である上で、各々の興味関心の分野と知恵を生かしながら、各々がやりたいことをやり、活動としては食という基盤を越えて、多角的かつ多岐にわたる。
 これまでのポヤンポヤンの活動は、モスキートを中心としたライブ企画でのフード展開(これまではWATCHMAN企画"atmospherics∞"、MOSQUITO3周年企画、ダモ鈴木旭川ツアーなどで出店。基本vegan対応ベクレルフリーフーズ。人気メニューはポヤンカレーとベジミートを使用したポヤンザンギ)。及びzineの制作。講演会企画(田中優氏講演会"新しいエネルギーとみらいの話"inMOSQUITO)、映画上映会企画(UPLINK配給映画「セヴァンの地球のなおしかた」旭川上映会in東川イシキト)など。

 そんな女子ユニットポヤンポヤンが、東川イシキトと共催で10月21日(日) 本田孝義監督作品 "建てない建築家"坂口恭平さんのドキュメンタリー映画 「モバイルハウスのつくりかた」旭川上映会を開催します。会場は、旭川市民活動交流センターCOCODE(ココデ)にて。

『モバイルハウスのつくりかた』
2011年/日本/HD/98分
製作:戸山創作所
配給:戸山創作所、スリーピン
監督・撮影・編集:本田孝義
整音:米山靖
音楽:あらかじめ決められた恋人たちへ「calling」
出演:坂口恭平、鈴木正三、船越ロビンソン、隈研吾、磯部涼

映画公式サイト
坂口恭平HP「0円ハウス」
映画「モバイルハウスのつくりかた」TRAILER

  
「モバイルハウスのつくりかた」旭川上映会
10月21日 at 旭川市民活動交流センターCOCODE
(旭川市宮前通東 / 青少年科学館サイパル向かい)
・上映は全4回予定(10:00~/13:00~/15:30~/18:00)
・大人1000円(当日1200円)学生・障碍者500円(当日600円)
中学生以下無料 
上映会常設イベント+ワークショップについて

・実際のモバイルハウス展示
・自作エネルギー展
・はぜろうろうそく作りのワークショップ
・不要布・糸などを使った原始機織りによるワークショップ
・野草茶カフェコーナー
・セルフケアカフェコーナー
・おとじろうさんによる一人語り「ぼくは原発君」
・絵本作家 堀川真さんによる風車工作ワークショップ(15時~17時まで)
・世界のモバイルハウス写真展
・0円ショップ(欲しいものはあなたの知恵とトレード、お金を介さない新しい価値経済)
※お子様連れの方へ、COCODEのキッズコーナー/絵本コーナーが自由に使えます。

※これらはすべて無料およびカンパ制で実施します。
自分でできること、知恵をつかうこと、表現すること…
それはお金をかけなくても(かけても少額で)できること。
上映時間のあいまに、これらイベントや展示にもお立ち寄り下さい。

主催:古本などイシキト / ポヤンポヤン

・お問い合わせ 
info_ishikito(at)yahoo.co.jp(松倉)
poyan555(at)yahoo.co.jp(松村)


 今回の上映会企画は、テーマに"DIY"を掲げ、実際のモバイルハウスの展示などワークショップなど多様なイベント(無料orカンパ制)も開催します。内容はまた追って追記できれば(※10/13追記済)。旭川ではこの日限りの上映となりますので皆様どうぞお誘い合わせのうえ、ご来場を心よりお待ち申し上げます。












 それから使い方が全然わからず完全放置してすっかり忘れ去っていたTumblr、急に使い方がわかったのでひとまず復活させました。これまで私が作成した自身の企画、結構抜けてるのもあるけどデータ残ってる分の歴代のディストロのフライヤー、distrojpやディストロで寄稿したzineの表紙や挿絵、ポヤンポヤン看板。このほか個人的に何かしら作ったモノのまとめる場所として使おうかと。概ね自分用のまとめみたいなもので需要なぞは考えてませんが、よかったらこちらもどうぞ。
 http://disnano.tumblr.com/

 そして、nano distroは10/27(土) モスキートでのclap stain企画にて久しぶりにディストロ出店させて頂きます。出演は、nothing,nothing,nothing!(札幌)、L!EF(札幌)、TG.Atlas、cloudy r tone、Lilith、clap stain open18:30/start19:00 adv1500円/door2000円(1d500円)。この日はハロウィン企画のため仮装してきた方は入場料が1000円に。

 私はディストロ出店の他にもどうやらハロウィンっぽいお菓子も作る模様…。
 久々にディストロ出すので、ラインナップ的には目に新しいかもしれませんね。
 nano distroがここ数ヶ月のうち新しく入荷した作品は…
  • SNAREKILLS / STEALTHFORCE 7" (imomushi records) 700円
  • P.S. BURN THIS LETTER / Written There for All (endless/nameless) 7"+CD 800円
 など、他にも在庫がある作品もあるのでお気軽にお問い合わせ下さい。
 頻度としては最近はマイペースな入荷ではありますが、ディストロさせて頂いてるひとつひとつの作品には思い入れも強く、ディストロを通して自分の手からカッコイイ音源を広められることに一層と純粋な喜びを感じる今日このごろ。
 先述の上映会企画、ディストロ出店のほかにも10月は旭川で素晴らしいライブが目白押しに予定されているので楽しみ。濃い10月になりそうだ。

 先日9月16日は、モスキートでのクラウディ企画へ足を運んだ。トップバッターはTG、久しぶりに青い照明を使ってのライブ。最近は使ってなかったけど長いあいだ青い照明でライブしていただけあり、青い照明を見ると視覚的なイメージとしてやっぱりTGだとおもう。初っ端から昂った、良いライブ。

  そして今回も、ミウミウのダンシングタイム。

  更にステージ上の立ち位置という概念を覆す、色々と自由すぎる立ち位置。
 最近TGの写真撮ると、1枚は不思議な構図のショットがある気がする…。

 そして、Bufferinsはちょうど1年前のinthenaMEoflove札幌ツアーの時以来。何せモスキートで観れたのは感激でした。抉られるようでちぎれそうで蒼くて逞しい。バファリンズの音はいつ観ても至宝。昨年のインザの札幌の時とてもお世話になったので今更ながらご挨拶できたのも嬉しかった…。あれから1年だなんて、あっという間ですね。


 そして、Another 9note、TGもアナザーもここまで短スパンで次のライブ観れるのは今考えたら久々かもしれない。ダイナミックな印象でとても良かった。今回はなんかカズキがかっこよかった。


 そして今回の主宰クラウディ、今回の企画実現(curve招聘)において、皆とても良い表情してたのが印象的。著しく勢い増してきて良いし、これから秋にかけて企画もコンスタントに予定されているので楽しみ。
 トリは小岩のcurve。個人的には東京で観れた3年ぶり。音の素晴らしさはもちろん「till the end」という素晴らしい音源を引っさげてモスキートで観れたことに感激。霧と霧が晴れたあとの瞬間みたいな、スッと染み渡る素敵な音風景。また、観たいですこの場所で。

 この日は昂ぶったり、抉られたり、清々しかったり、多様な奥深さを感じる良い企画でした。ちらっと打ち上げにでて家へ帰った。主宰クラウディはじめ皆様お疲れさまでした。

 そして、9月18日は久しぶりに札幌へ。カウンターアクションでのハキダメGIG、
 NEXT STYLE一夜限りの復活。

 この夏最後の猛暑の日。久々に札幌へ行くと、近くは旭川と札幌、遠くはシカゴまでたくさんの方と会えて嬉しかった。皆さまありがとうございました。やっぱり札幌はいつ行っても刺激になる。大好きな場所。
 大ちゃんしょうちゃんがいるMy Better Halfもようやくライブを観れたし、kijiも新曲勢ようやく聴けて、WALKも3人になってからようやく初めて観ることが出来てよかった。
 そして、Next Style、2004年の復活ライブ観に行ったことも重ねて思い出したり。8年前の復活ライブも最高だったけど、今回は3、4曲(今回はturning pointのカバーも)と予め告知がされていたのもあり、最高にカッコよくてあっという間で、この時間がずっと続けばいいのにと心底から思った。観終えたあとは、最高すぎて胸が苦しくて涙が止まらなかった…。
 ライブ観て、こんなに胸が苦しくなったこと、ない。
 ハードコアが好きでよかった、もっとハードコアが大好きになった。
 そう、改めて痛感した一夜でした。
 ハキダメGIG主宰のcosmosも久しぶりに観れて、その存在感と影響力に圧倒された。平日にこうしたアツい企画があり、それを成し遂げる姿勢も札幌は凄いと思うことのひとつ。
 ライブ観たあとは、今回ものぐさんのお家に一泊お世話に。平日なのにありがたい…。眠り明けて翌朝、のぐさんと地下鉄のホームでバイバイ。のぐさんとってもお世話になりました。ありがとう。帰る前に札幌駅構内で少しお買い物して旭川に帰りました。
 札幌発旭川ゆきのバスが発車すると、また大きな虹が上がった。これで2回目だ。いつも決まって最高の気持ちを得たあとに。人が覚悟や衝撃決めたら虹があがる。

 行ってよかった。札幌のみなさまありがとうございました。また近いうちに行きます。
 旭川に帰ってからもハキダメの余韻が半端なく残っている…。photograpy、6SEASON、wiseupとのsplitをずっと聴きながら。それから、turning pointも。
 五臓六腑に染み渡らせ血となり肉となる、血肉にして生きる。
 そして、また大きな秋をむかえる。

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